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2023年10月8日-10月14日資金調達を実施したPJ 8選

投稿日 2023年 10月 16日

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2023年10月8日-10月14日の期間中に資金調達を実施した8プロジェクトを紹介していきます。

過去の資金調達を実施したまとめ記事は下記よりご確認ください。

Neutral


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North Island Venturesが主導するシードラウンドで、320万ドルを調達。他には、Redalpine、Digital Currency Group (DCG)、Cerulean Ventures、Factor Capital、Rarestone Capitalが参加。

環境資産のためのRWA市場インフラを構築


近年、カーボンクレジットや、再生可能エネルギークレジットといった、環境商品の需要は大きく増加しています。2015年のパリ協定を契機とする、持続可能性を見据えた流れ及びそれに関連した市場はこれからも加速していくものと思われます。

環境資産市場の勢いが増していく中で、従来の市場インフラは、取引、決済、透明性の向上のために、ブロックチェーン技術とトークン化された資産を活用する方向に向かっています。

Neutralは、「環境商品に対する需要の高まり」と「ブロックチェーンを活用したトークン化現実資産」の二つのトレンドに対応しようとしており、環境資産取引所の立ち上げ及び、環境資産のための市場インフラを構築しようとしています。

環境資産市場のインフラが整うことで、炭素隔離や再生可能エネルギー生産など、持続可能な活動に価格を付け、資金調達メカニズムを整備することが可能となります。

Neutralは、環境資産のための取引所を立ち上げるだけでなく、パートナー企業と緊密に協力し、伝統的な商品市場や債券市場に見られるような流動性のある商品を開発するとのことです。

現実世界資産(RWA:Real World Asset)のトークン化は、現在Web3において大きな注目を集め始めている分野です。これまでには、国債やゴールドといった資産のトークン化が多くされてきましたが、環境資産のトークン化は他のプロジェクトにはあまり見られず、Neutralが他企業に対して差別化を図れている要素でしょう。

今回調達された資金は、欧州で規制取引所を立ち上げに使用され、北米やアジアの他の地域にも拡大していく計画とのことです。

公式サイト:https://www.neutralx.com/

X:https://twitter.com/NeutralExchange

Linkedin:https://www.linkedin.com/company/neutral-exchange/about/

Membrane Labs


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Brevan Howard、Point72、Jane Street、Flow Traders、QCP Capital、Two Sigma Ventures、Electric Capital、Jump Cryptoなどが参加するラウンドで、2000万ドルを調達。

暗号資産に特化した取引・融資プラットフォーム


Membraneは、取引・融資プラットフォームです。特に、清算、ネッティング、決済エンジンの構築に注力しており、これにより金融機関は、カストディアンやマルチ・パーティ計算MPCウォレットなど、資金の保管場所や保管方法を選択できるようになっています。

FTXや3ACの崩壊に伴い、クリプト取引における透明性やリスク管理の重要性や需要が増しました。Membrane CEOのCarson Cook氏は、「昨年の出来事(FTXと3ACの崩壊)に対する率直な反応は、すべてをオン・チェーンに移行し、分散型金融(DeFi)タイプのインフラに強く傾倒することである」と述べています。

公式サイト:https://membranelabs.com/

X:https://twitter.com/Membrane_Labs

Linkedin:https://www.linkedin.com/company/membranelabs/

Parsec Finance


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Galaxy Digitalが主導するラウンドで、400万ドルを調達。他には、Uniswap Labs Ventures、Robot Ventures、CMT Digitalが参加。

クリプトオンチェーン分析プラットフォーム


Parsecは、オンチェーン分析プラットフォームです。競合相手として、NansenやGlassnodeなどが挙げられますが、Parsec CEOであるWill Sheehan氏によると「Parsecの競争力は、最大限のカスタマイズが可能でモジュール化されたダッシュボードである」とのことです。

Parsecは現在、イーサリアム、Arbitrum、Optimism、Base、zkSync、Avalanche、Canto、Mantleの8つのブロックチェーンをプラットフォーム上でサポートしています。また、今後数ヶ月の間で、さらに5~10のネットワークを追加する予定とのことです。

Sheehan氏によれば、Polygon、Scroll、Monad、dYdX、Berachainに関心を寄せているとのことです。

今回の資金調達の発表の際、Parsecは新しい「チーム」(team)製品を発表し、これまで招待制だったAPIを一般公開しました。このチームは、DeFiおよびNFT分析製品であり、ツール、Parsecの機能一式、APIアクセス、アカウント管理サービスが含まれています。このAPIにより、開発者やアナリストはParsecのデータを自社のシステムに統合することが可能となりました。

公式サイト:https://parsec.finance/

X:https://twitter.com/parsec_finance

Blog:https://parsec.finance/blog

Untangled Finance


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Fasanara Capitalが主導するラウンドで、1350万ドルを調達。

プライベートクレジットのオンチェーン化に取り組むRWAプラットフォーム


Untangled Financeは、トークン化された現実資産(RWA)を取り扱っており、中でも、プライベートクレジットのオンチェーン化に取り組んでいます。

伝統的なプライベートクレジット市場は現在、1兆ドル以上の規模を有していますが、分散型金融(DeFi)上のプライベート・クレジットの資産規模は合計5億5000万ドルほどでしかなく、未だ未開拓の領域であることが窺えます。また、RWAのトークン化市場は、今後5年間で5兆ドル規模に膨れ上がる可能性があるとも見做されており、非常に期待されている市場でもあります。

プライベート・クレジット及び、RWAのトークン化という成長が見込める二つの分野に、Untangled Financeは注力しています。

Untangled Financeの共同設立者であるManrui Tang氏とQuan Le氏によれば、同プラットフォームでは、バッテリー交換ステーションの開発融資といった、いわゆる「グリーンアセット」に焦点を当てるとのことです。

Untangled FinanceのRWAレンディングプロトコルの特徴として、清算エンジンを内蔵していることが挙げられます。これによって、一定の閾値を下回った場合、プール全体の健全性を向上させるために特定の担保資産を競売にかけることができます。これは、プールから早期撤退をしたい投資家に向けての、オークションベースの撤退メカニズムも提供しています。

同社はまた、Chainlink(LINK)のクロスチェーン相互運用性プロトコルを用いることで、イーサリアム(ETH)とPolygon(MATIC)にも拡大する計画も発表しています。これにより、同社プラットフォームは、マルチチェーンで相互運用可能なRWAクレジットプロトコルとなります。

今回の資金調達を主導したFasanara Capitalは、ロンドンを拠点とする資産運用会社です。Fasanara Capitalは、プラットフォーム上に2つのクレジットプールを開設しており、オフチェーン業務とローンの引き受けを担当しています。

公式サイト:https://www.untangled.finance/

X:https://twitter.com/UntangledFin

Medium:https://medium.com/untangledfin

Linkedin:https://www.linkedin.com/company/untangled-finance/

Discord:https://discord.com/invite/neucRJEWHe

Game of Silks


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Taylor Made、FunFair Venturesなどが参加するラウンドで、500万ドルを調達。

現実世界のサラブレッド競馬を反映したブロックチェーンゲーム


Game of Silksは、現実世界に実在する競走馬にリンクしたNFTを作成しており、NFT保有者はトークンが対応する馬の現実世界での成績に基づいて報酬を受け取ることが出来ます。
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現実世界の競走馬の収益のおよそ1%を、Game of Silksで報酬として受け取れるとのことであり、まだ実装はされていませんが、将来的には種牡馬としての成績も報酬に反映されるようになるとのことです。

同サービスは、2021年6月に開始されており、ニューヨーク競馬協会、ベルモント競馬場、ジョッキークラブといった組織と提携しています。

NFTとスポーツ業界の組み合わせとして有名なものとして、サッカーと組み合わせたSorareが挙げられます。Game of Silksは競馬との組み合わせですが、もしかすれば今後もNFTを活用したスポーツGameFiが増えるかもしれません。

現在、Game of Silksは7,000枚以上の「Silks Genesis Avatars」NFT(Silksで遊ぶためのNFT)を発行しており、OpenSea上にて、フロアプライス0.08ETHで取引されています。

Game of Silksのエコシステム:様々な種類のNFTを発行。メタバース内でのレースも。


Game of Silksの特徴はやはり、現実世界の競走馬の成績を連動して、その競走馬のNFT保有者が報酬を稼げるようになっている点です。

それだけでなく、Game of Silksのメタバース内でもレースが開催されており、そちらの方でも所有馬を出走させることが出来るようにもなっています。つまり、現実世界でもヴァーチャル世界でも、競馬を楽しみ、報酬を稼ぐことができるようになっています。

NFTの種類も様々あり、競走馬のNFTだけでなく、ゲーム内土地のNFTや厩舎のNFTも存在します。

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Silk Land NFT(土地のNFT)を保有しているユーザーは、厩舎を立てることが可能となります。Silk Stables NFT(厩舎のNFT)では、馬を入厩させることが出来、自身の馬だけでなく他プレイヤーの馬を預かり、預託料として報酬を得ることが可能となっています。

単に現実世界の競走馬と連動するGameFiというだけでなく、メタバース世界の中においても、しっかりとしたゲーム性のあるエコシステムを構築していることが窺えます。

Game of Silksにおける主要な報酬の稼ぎ方をまとめると以下のようになります。

  • NFTと対応している現実の競走馬が現実世界のレースで勝利。
  • メタバース内でのレースで勝利。
  • NFTの売買。
  • 現実世界における競走馬の種牡馬成績 ※将来的に実装予定。

Game of Silksは、あくまでもアメリカ競馬を基にしているため、実際にゲームをプレイし報酬を得ようとすると、日本競馬とアメリカ競馬の違いを考慮しなければならないことには注意が必要です。

公式サイト:https://silks.io/

X:https://twitter.com/gameofsilks

Discord:https://discord.com/invite/Silks

OpenSea:https://opensea.io/collection/silks-genesis-avatars

Republik


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OKX Ventures、6th Man Ventures、Arcane Ventures、CMS Holdings、Comma3 Ventures、Define Ventures、Enjin、FBG Capitalなどが参加するシードラウンドで、600万ドルを調達(評価額は7500万ドル)。

シンガポールを拠点とするWeb3コンテンツ作成プラットフォーム


Republikは、コンテンツ制作者が視聴者とつながり、内蔵のスマートコントラクトを利用して収益化プロセスを処理できるプラットフォームを提供しています。

トークンベースの報酬システムが導入されており、コンテンツの相互作用、紹介、クリエイターのサポートを通じて誰もが収入を得ることが可能となっています。

Republikプラットフォームは、2022年11月にローンチされており、プラットフォームのアルファ版では50万人以上の登録ユーザー数を有しました。

現在は、ウェブアプリ、iOS、Androidの各プラットフォームでベータ版が提供されています。

今回調達された資金は、Republikのプラットフォームの成長及び、ブロックチェーン技術を活用したWeb3クリエイターツールの構築に使われるとのことです。

公式サイト:https://republik.gg/

X:https://twitter.com/RepubliK_GG

Telegram:https://t.me/officialrepublik

TikTok:https://www.tiktok.com/@republik_official

Instagram:https://www.instagram.com/republik_official/

Account Labs(UniPass)


Account Labs homepage

Amber Group、MixMarvel DAO Ventures、Qiming Venturesが主導するラウンドで、770万ドルを調達。

Googleに対応したクリプトウォレット「UniPass」を開発


Account Labsは、「UniPass」というウォレットサービスを開発しローンチしています。これはステーブルコインの送金に特化したセルフ・カストディ・ウォレットであることが特徴です。

その他の特徴として、Googleログイン機能及びアカウント抽象化の採用による、ユーザーザクスペリエンスの向上が挙げられます。

Googleログイン機能を導入することによって、Web3ウォレットのログインにおいて必要となっている12単語のシードフレーズを排除することが可能となり、Web3の知識がないユーザー向けにユーザーエクスペリエンスを向上させることが出来ます。また、MastercardやVisaカード、Apple Payによる入金も可能となります。

また、アカウント抽象化によってガス代の削減を実現しています。暗号資産の取引において、ガス代を安価にすることは非常に重要ですが、アカウント抽象化によってトランザクションあたり0.01ドルから0.02ドルにまで削減されるとのことです。

UniPassウォレットはPolygonをベースに開発されており、現在は、Androidで使用可能です。また、KYC(顧客確認)の必要なく世界中のすべてのユーザーが利用できるようにもなっています。今後、iOSやApple ID、その他ソーシャルメディアログインにも拡張していくとのことです。

今回調達された資金は、フィリピン向けのUniPassウォレットのローンチとテストに使用されるとのことです。また、ベトナム、マレーシア、インドネシアといった同地域へのさらなる拡大も計画されているとのことです。

公式サイト(Account Labs):https://www.accountlabs.com/

公式サイト(UniPass):https://unipass.xyz/

X(UniPass):https://twitter.com/UniPassWallet

UniPass Mobile Wallet:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.unipass.payment&pcampaignid=web_share

Medium(UniPass):https://medium.com/unipass

Discord(UniPass):https://discord.com/invite/pwuppGK5ad

Telegram(UniPass):https://t.me/UniPassWalletApp

Linktree(UniPass):https://linktr.ee/unipass

Initia


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Binance Labsによる投資を獲得。(資金調達の額は不明)

0対1ロールアップのためのレイヤー1ネットワーク


Initiaは、レイヤー1とレイヤー2インフラストラクチャを組み合わせて構築された、0対1のオムニチェーンロールアップのためのネットワークです。

Initiaは、レイヤー1、レイヤー2、および通信レイヤーを組み込んでいるため、開発者は複雑なチェーンレベルでのインフラの把握やバリデータセットの実行をすることなく、アプリ固有のブロックチェーンを、Initiaレイヤー2として簡単に起動できるようになっています。

その他の特徴として、Cosmosのブロックチェーン間通信(IBC)プロトコルとネイティブに互換性のあるMoveVMを採用している相互運用可能なネットワークであることが挙げられます。さらに、Initiaのアーキテクチャにより、レイヤー2がEVM、WasmVM、MoveVMを利用できるようになっており、これらの間でのシームレスなメッセージングとブリッジングが容易となっています。

今回調達された資金は、Initiaのインフラストラクチャと開発者ツールの開発支援に充てられるとのことです。

公式サイト:https://initia.xyz/

X:https://twitter.com/initiaFDN

免責事項


・本記事は情報提供のために作成されたものであり、暗号資産や証券その他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的で使用されたり、あるいはそうした取引の勧誘とみなされたり、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりすべきものではありません。

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