Header Navbar Logo

有料記事

2023年11月5日-11月11日資金調達を実施したPJ 8選

投稿日 2023年 11月 15日

Featured Image

記事のシェア

目次

2023年11月5日-11月11日の期間中に資金調達を実施した8プロジェクトを紹介していきます。

過去の資金調達を実施したまとめ記事は下記よりご確認ください。

Llama


1500x500

Founders Fund、Electric Capitalが主導するシードラウンドで、600万ドルを調達。他には、Sandeep Nailwal氏(Polygon共同創設者)、Stani Kulechov氏(Aave創設者)などが参加。

スマートコントラクト管理システムを構築


Llamaは、プロトコルが資金移動やプロトコルパラメーターの変更といったオンチェーンアクションを行うための役割と権限をエンコード出来るようにしています。これによりプロトコルのガバナンスをより効果的に行うことが可能になります。

また、Llamaプラットフォームは、パフォーマンスの低下やハッキング、悪用につながる非効率性やセキュリティの脆弱性に対処することも目的としています。

DAOの資金流出の動きにも注目:SynthetifyとNouns DAOを例に


Llamaの管理システムやガバナンスに対する姿勢を読み解くにあたり、ここ最近DAOのガバナンスの問題が取り沙汰されていること押さえておかなければなりません。

10月、Solana上の分散型取引所である「Synthetify」にて、ガバナンス攻撃によって23万ドルの資金流出が発生しました。このガバナンス攻撃は、「トレジャリーからハッカーのアドレスへと資金を送金する」というDAOの投票を作成し可決するというものでした。

このハッキング事件は、DAOの活動がアクティブではないことが原因です。いくつかの投票の中に、資金流出に関する提案を混ぜ、自身のトークンで可決するという手法で実行されました。

ハッキング以外の原因でもDAO関連の資金流出は多くあります。Nouns DAOでは、フォークを巡る議論の中で9月に2700万ドルもの資金流出が発生しています。これは同DAOのトレジャリー(5000万ドル)の半分以上の額です。

こうしたDAO関連の問題を背景として、Llamaの共同設立者であるAustin Green氏は、DAOの領域では「1トークン、1票」の手法以上の革新がされていないと述べており、Llamaはアクセス制御による分散化に取り組んでいるとしています。

クリプト領域のガバナンスはスマートコントラクトを前提として構築されており、そのガバナンスには細心の注意が払われなければなりません。Llamaの試みや資金調達はこのような問題に対するソリューションとなるかに注目が集まります。

公式サイト:https://llama.xyz/

X:https://twitter.com/llama

Docs:https://docs.llama.xyz/

Github:https://github.com/llamaxyz/llama

StablR


-E3-82-A2-E3-82-A4-E3-82-B3-E3-83-B3

Maven 11、Theta Capital、Folkvang、Blocktechなどが参加するシードラウンドで、350万ドル(330万ユーロ)を調達。

ユーロ裏付けのユーロステーブルコインを発行


StablRは、10月12日からEurRというティッカーで、ユーロ裏付けのユーロステーブルコインの発行を開始しています。また最初の1ヶ月ユーロ裏付けのユーロステーブルコインの発行を開始しています。また最初の1ヶ月間で間で、1000万枚のトークンがミントされたとのことです。

StablRは資金調達の発表に際して、「安定性と信頼性の新たなベンチマーク」を確立したいと述べています。同社はすでにマルタにおいて暗号資産発行会社として正式に登録されており、Chainlinkを通じてオンチェーンで提供される明細によって、準備金に対する高いレベルの可視性を維持しています。他にも、アイルランドの信託に、StablRから完全に分離された資金を保管するといったこともしています。

StablRのユーロステーブルコインの発行は、DeFiとCeFiの両市場に流動性をもたらし、多くのクリプトユーザーを取り込むことが期待されています。

既にドルにペッグしたステーブルコインは、USDTやUSDCに代表されるように、クリプトの主要なエコシステムを占めています。しかし、ユーロステーブルコインは未だドルと比べれば未開拓な領域といえます。

同社創設者のGijs op de Weegh氏によれば、ドル優位の市場構造は伝統的金融を反映したものと言えるが、欧州での規制の明確化によって暗号資産市場における状況は変化する可能性があるのとのことです。

公式サイト:https://www.stablr.com/

X:https://twitter.com/StablREuro

Linkedin:https://www.linkedin.com/company/stablr/

Due


1500x500-1

Semantic VenturesとFabric Venturesが主導するシードラウンドで、330万ドルを調達。他には、BlockTower VC、Speedinvest、Polymorphic Capital、Discovery Venturesなどが参加。

国際決済のソリューションを提供するフィンテックスタートアップ


Dueは、国際決済に注力しており、企業や個人向けに多通貨口座、グローバル送金、マーチャントアクワイアリングを提供しています。

従来の国際決済と比較した際の特徴として、分散型ネットワーク上にプラットフォームを構築し、迅速で安価な国際的な資金移動を可能にしていることが挙げられます。同プラットフォームはノンカストディアルであるため、顧客は仲介業者を介さずに資産を完全に管理し、直接アクセスすることが可能となっています。

国際決済周辺の問題は数多くありますが、手数料の高さは昔から問題となっており、送金手数料は平均して6%以上とされています。RevolutやWiseがそうした問題の解決に努めていますが、SWIFTといった決済ネットワークに依存しなければならないことは問題解決を遠ざけてしまいます。

また、高インフラ地域に住んでいる人にとっては、そもそも口座を入手することが困難です。それを乗り越えても海外送金の問題が依然として立ちはだかります。決済にかかる時間も、伝統的金融においては非常に時間がかかります。

こうした問題に対するソリューションとして、ブロックチェーン技術が注目されており、Dueの事業はこうしたソリューションを提供するものです。

Dueは、Arbitrum、Base、OP、StarknetやzkSyncといった様々なチェーン上でサービスを提供しており、決済サービスが整っていない新興市場に対して、従来の方法と比較してはるかに低いコストと大幅に速い決済時間での取引を推進しています。

公式サイト:https://www.opendue.com/

X:https://twitter.com/due_network

Linkedin:https://www.linkedin.com/company/due-network/

Pimlico


1500x500 1

a16zが主導するラウンドで、420万ドルを調達。

スマートアカウント周辺のソリューションを提供:新たに「Daimo」と「Patch Wallet」を発表


Pimlicoはスマートアカウントインフラの開発に注力しており、今年9月には1confirmationが主導するプレシードラウンドにて、160万ドルの資金調達を成功させていました。そして今回、a16z主導のシードラウンドにて420万ドルの資金調達を成功させました。

Pimlicoはこれまでに「バンドラー」、「検証ペイマスター」、「ERC-20ペイマスター」といったトランザクションを中心とした製品を提供してきました。また、a16z cryptoのCrypto Startup School 2023アクセラレータープログラムを修了していることでも知られています。

そして今回、前回の資金調達では発表されていなかった新たなプロダクトとして、「Daimo」と「Patch Wallet」が発表されました。

Daimoは、P2P決済に関するソリューションです。スピードと簡素さに従点を置いており、スマートアカウントを使ってガスを完全に抽象化し、FaceID署名検証と組み合わせることで、同様のWeb2アプリよりも使いやすい決済を実現しています。

Patch Walletは、ユーザーが事前にウォレットを作成することなしに、ソーシャルハンドル経由で他の人からトークンを受け取れるようにするものです。ツイッターのフォロワーやメールマガジンの読者に直接エアドロップを行うだけでなく、既にあるソーシャルアカウントを使ってWeb3に参加することができるようになります。

Pimlicoのプロダクトは、Web3をよりマスアダプションへと向かわせることを目的としており、そのためにユーザーフレンドリーな仕組みを構築しようとしています。今回の資金調達によって、よりPimlicoの計画が加速するものを思われます。

公式サイト:https://www.pimlico.io/

X:https://twitter.com/pimlicoHQ

Docs:https://docs.pimlico.io/

Github:https://github.com/pimlicolabs

Telegram:https://t.me/pimlicoHQ

Definitive


1500x500-2

BlockTower Capitalが主導するシードラウンドで、410万ドルを調達。他には、Nascent、Coinbase Venturesなどが参加。

ノンカストディアル及び自動化に注力したDeFiプラットフォームを構築中


DefinitiveはDeFiの実行プラットフォームおよびAPIであり、多くのDeFiプロトコルでノンカストディアルなスマートコントラクトおよび自動化サービスを提供しています。

Definitiveスマートコントラクトを使用することで、エンドユーザーは複雑な利回り戦略から高頻度取引アルゴリズムといったDeFi執行を効率化することが可能になります。

また、同社が提供する「Advanced Yield」では、機関投資家レベルでのDeFiイールド戦略へのアクセスが提供されています。現状では一般的なETHステーキングの3倍から4倍の利回りで運用されているとのことです。このようなDefinitiveの高利回りな戦略は、DeFiプロトコルごとのパフォーマンスを厳選し、同社独自の高頻度執行エンジンによってリスク管理を自動化し、積極的にポジションを調整することで実現されています。

こうした自動化の試みと同時に、低遅延のモニタリング機能も搭載しており、これは相対流動性やペグ価格といった情報をモニターし、ポジションの増減やレバレッジの調整といったタスクを自動化することに活用されています。

また、ノンカストディアルであることも売りの一つであり、スマートコントラクトの透明性を利用することで完全な監査を可能としています。

Definitiveは現在、Aave、Balancer、Lido、Moonwellといった主要プロトコルが統合された6つのチェーンで稼働しており、さらなる追加も予定されています。

その他にも、競合他社に対する差別化として、「開発者APIとSDK」や「高度な取引執行スイート」(近日リリース予定)といったサービスの提供も行っています。

公式サイト:https://www.definitive.fi/

X:https://twitter.com/DefinitiveFi

Medium:https://medium.com/definitivefi

Linkedin:https://www.linkedin.com/company/definitivefi/

Telegram:https://t.me/DefinitiveDeFi

Ritual


-E3-82-B9-E3-82-AF-E3-82-B7-E3-83-A7

Archetypeが主導するラウンドで、2500万ドルを調達。他には、Accomplice、Robot Venturesが参加。

分散型AIコンピュートプラットフォーム:AI開発の寡占防止となるか


昨今、OpenAIのChapGPTに代表されるようにAI分野への注目が集まっていますが、そうした中で、RitualはAIに関連する分散型コンピューティングデバイスを実現するためのネットワークの構築に注力しています。

Ritualは、AI開発の問題点として、現状では、チップやコンピューティングパワー、AIツールを動かすためのモデルへのアクセスなどが、少数の企業によって寡占されていることを指摘します。

そこで、同社は、分散型AIコンピュートプラットフォームを構築することで、AIインフラへの広範なアクセスを実現しようとしています。

Ritualは、以下の五つの点を重視して開発をしています。

  • AIモデルの分散コンピューティングデバイスを接続するインセンティブネットワークの構築
  • モデルへアクセスするためのAPIレイヤー
  • 計算の完全性を保証する証明レイヤー
  • 検閲耐性
  • プライバシー

また、来年にはアルファ版のプラットフォームを立ち上げる予定とのことです。

Ritualの競合他社には、Gensynがいます。Gensynは、a16z主導のラウンドにて4300万ドルといった多額の資金調達をしています。このような資金調達は、クリプト領域においてもAI関連への投資が盛んに行われていることを示しています。

今回調達された資金は、ネットワークインフラの構築、チームの成長、Ritualエコシステムの拡大に使用されるとのことです。

公式サイト:https://ritual.net/

X:https://twitter.com/ritualnet

Docs:https://docs.ritual.net/

Stackr


-E3-82-B9-E3-82-AF-E3-82-B7-E3-83-A7-EF-BC-92

Archetypeが主導するシードラウンドで、550万ドルを調達。他には、a16z CSS、Lemniscap、Superscrypt、Scalar Capital、a_capital、Sreeram Kannanなどが参加。

モジュール式のフレームワークによって全ての開発者がスケーラブルなweb3アプリを構築出来るよう支援


Stackrは、開発者が汎用プログラミング言語を使用してシームレスに「マイクロロールアップ」(MRU:Micro-rollups)を構築できるように設計された、包括的かつモジュール式のフレームワークを提供しています。

マイクロロールアップはWeb3アプリケーションを作成するために必要なツールを提供するネオ実行環境です。これにより、開発者はWeb3アプリ開発における複雑さを簡素化することが出来ます。これは、実行と証明を分離させることで実現しているとのことです。

Stackrのプロダクトは、ブロックチェーン向けアプリケーションの構築をより容易にする方向で一貫しています。その他のソリューションとして、「Stackr SDK」が挙げられます。

Stackr SDKは、特定のニーズに合わせてカスタマイズ可能なプリパッケージモジュールを提供するものであり、開発者はそれぞれの設計で独自のロールアップをゼロから構築することができます。最終的には、Python、Golang、Rust、C#もサポート対象とするとのことです。

公式サイト:https://www.stackrlabs.xyz/

X:https://twitter.com/0xStackr

Mirror:https://mirror.xyz/stackrlabs.eth

Discord:https://discord.com/invite/AnmWBWyf

Ingonyama


1500x500 2

Walden Catalystが主導するシードラウンドで、2000万ドルを調達。他には、Geometry、Blue Yard Capitalなどが参加。

ゼロ知識証明技術を開発するイスラエルのコンピュータチップ開発企業


Ingonyamaは、半導体企業でありチップ開発も行っています。同社のチップはGPUに似たプログラマブル並列コンピューティングプロセッサーでありながら、ゼロ知識証明と完全準同型暗号のために開発されていることが特徴として挙げられます。未だ完全なチップの準備がされていないため、しばらくの間は、GPUの連携を行うとのことです。

また、同社の開発はゼロ知識技術を中心とするものであり、不必要な情報を秘匿しながらの情報共有を実現しようとしています。現在はソフトウェアレベルであるものの、将来的には、チップレベルでの情報共有の実現を目標としています。

クリプト企業とイスラエル


Ingonyamaは、イスラエル国防軍の諜報部隊8200出身の、Shlomovits氏によって設立されました。

現在、イスラエルにて戦闘が発生していますが、Shlomovits氏によれば、今回の資金調達は戦闘が始まる前に終了したものの、戦闘の開始以降により多くの関心を集め、新たな投資家も署名に加わったとのことです。

イスラエルを出自とするクリプト企業は数多くあります。既にゼロ知識関連で注目を集めているプロダクトにイーサリアムレイヤー2「Starknet」がありますが、開発元であるStarkWareはイスラエル企業です。

クリプトのメリットとして、国家を超えた取引や開発を行えることが挙げられますが、実際の開発を行っているのが人間である以上、地政学的な要因も無視することが出来ません。今回の資金調達の発表に際して、Shlomovits氏は戦時体制への移行に関して言及しましたが、これはそうした事情を反映したものと言えるでしょう。

公式サイト:https://www.ingonyama.com/

X:https://twitter.com/Ingo_zk

Medium:https://medium.com/@ingonyama

Linkedin:https://www.linkedin.com/company/ingonyama/

Discord:https://discord.com/invite/qkBVXBpFc4

Github:https://github.com/ingonyama-zk

免責事項


・本記事は情報提供のために作成されたものであり、暗号資産や証券その他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的で使用されたり、あるいはそうした取引の勧誘とみなされたり、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりすべきものではありません。

・本記事に掲載された情報や意見は、当社が信頼できると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性、完全性、目的適合性、最新性、真実性等を保証するものではありません。

・本記事上に掲載又は記載された一切の情報に起因し又は関連して生じた損害又は損失について、当社、筆者、その他の全ての関係者は一切の責任を負いません。暗号資産にはハッキングやその他リスクが伴いますので、ご自身で十分な調査を行った上でのご利用を推奨します。

前の記事

2023年10月DeFiマーケットレポート

この続きを読むには

この記事は会員限定の記事になります。

登録すると続きをお読みいただけます。

タグ

    無料公開

    資金調達

目次

記事のシェア

Navbar Footer Image

© CT Analysis. All rights reserved.